転職したいと思ったら始めるキャリアの棚卸し

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転職したいと思ったら始めるキャリアの棚卸し

この記事では、転職したいと思っている方や現在活動中の方へ、転職活動を行う上で重要な点を私の人事経験からお伝えしていきます。
運営者情報にも記載しておりますが、私自身も2度転職を経験しています。

「志望動機が浅い内容になってしまう…」

「面接に自信がない…」

「どのように仕事を選んで良いかわからない…」

などのお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか?

この記事を読むと、仕事の選び方や面接で伝えるべき内容がわかります。転職活動を行う前にやるべき大切な内容について記載していますので、この記事の内容を踏まえた上で、転職サイトやエージェントサービスへ登録してみてください。

転職に対する考え方

先ず、皆さんが転職活動をしたいそもそもの理由は何でしょうか?
多くの方が現職に対しての不満要素を持たれていて、現状を変えたいと思われているのではないでしょうか。

では、ここで指す「不満」とは何でしょうか。
具体的には、給与・勤務条件・残業時間・人間関係などが挙げられるのではないでしょうか。
これらの不満を「衛生要因」と言います。そして、この現状を変えたい想いから転職に踏み切る方が多いですよね。

ここでキャリアを形成する上で重要な点が一つあります。

「不満足の反対語は、不満なし」であり、決して「満足あり」の状況ではないということです。

つまり、衛生要因の解決=満足のある転職には繋がってこないということです。
給与や労働条件の改善で一時的な満足感を得ることはできるはずですが、満足の状態が継続されるものではないです。

このことから、入社後に何か満ち足りない気持ちになったり、満足が無い中で別の不満足要素が出てきたりすることにより転職を繰り返す方も少なくありません。満足を感じながら長く勤めたいと思っているはずです。その為には、しっかりとキャリアを主体的に創造して、満足につながる転職にしましょう。

私はこのブログを通じて、皆さんが仕事をより楽しめたり、仕事を通じてやりがいを感じたり、世の中をより良くするために仕事と向き合って欲しいと思っています。その為に、転職を考えている方には、満足を感じることのできる仕事を見つけて欲しいです。

キャリアの棚卸し

転職を決意してからの第一歩は、転職サイトやエージェントサービスへの登録ではありません。

先ずすべきことは、自身のキャリアを「棚卸し」することです。

キャリアの棚卸し…
耳馴染みのない言葉だと思います。
言葉の意味を分解して説明します。

キャリア=職業・技術の経験・経歴
棚卸し=ある一時点の在庫の数量を確認し、在庫金額を確定する作業

つまり、仕事を通じて積み上げてきた利益を確定させることを意味します。

なぜ、利益を確定させる必要があるのでしょうか?
それは企業が中途採用を行う目的にあります。

企業側が中途採用を行う目的は「即戦力を採用すること」であり、会社に「利益」を与えることの出来る人材を採用することです。
そのため、皆さんが持っている「利益」が何かを明確にすべきなのです。

だからこそ、前述している衛生要因からの転職理由ではいけないということです。

如何に利益の見える化がなされているかが重要な点となります。

転職をすると決めてからの正しいフローは下記です。

①キャリアの棚卸し
②利益の見える化
③転職サイトやエージェントサービスへの登録
④自身の利益と求人内容の接続
⑤条件周りの確認

上記のフローを踏むことで、企業側が求めている本質とずれることなくアプローチが可能となります。
結果、書類選考の通過率が格段と上がります。
既に活動中の方もフローを修正すれば問題ありません。

選考に挑める機会を多く作っていくためにも、「キャリアの棚卸し」をしっかりと行なっていきましょう!

では、ここからキャリアの棚卸しの仕方について5つの手順で説明していきます。

①行なってきた業務・経験を時系列で整理する

「いつ」「どこで」「何を」「どのような役割で」を時系列で整理します。
まとめ方は箇条書きでOK!

〈例1〉2010.4月〜2015.3月 〇〇株式会社 〇〇店 販売職 ポジション:2014.4月より副店長

〈例2〉2020.4月〜2022.9月 〇〇株式会社 人事採用担当として関東地区を担当 ポジション:一般

ポイントは2つ!


・文章で書かない
→整理することが目的であり、まとめることが目的ではない。

・読み手のわかりやすさ
→今後企業に提出する職務経歴書として、整理した情報を記載します。シンプルな構成が読みやすく、相手本意な方とイメージできます。

②経験の中で出た成果を整理する

成果はできる限り数字を用いて書き出す。
簡潔に書き、「利益」を作り出せるイメージを企業側に持たせる。

例)売上実績、計画比、目標達成率、成約率、対前年比、部門順位、担当企業数、通過企画数など

〈例1〉売上実績○千万円 計画比○% 前年比○% 部門順位○人中○位
〈例2〉年間企画数○件 企画成約率○%

ポイントは2つ!

・数値で書く
→客観性を高めるためです。数字は誰にとっても平等であり、客観的な判断がしやすいものです。

とは言えども、定量化できない仕事の性質であったり、思うような成果を残せていないと感じる方もいるのではないでしょうか。
そのような場合は、後述する内容にフォーカスを当てましょう!

・文章で書かない
→プロセスの説明は面接時の説明でOK!

③成果までのプロセス、自分なりの工夫点を整理する

最も重要なポイントです。

職務経歴書の自己PR欄に記載したり、面接時に直接伝えることを目的に整理しましょう。

なぜ重要かというと、「あなたでなければいけない理由」を知りたいのです。
プロセスや工夫点は千差万別で、答えがあるものではありません。
だからこそ、自分を売り込む理由として一番力を入れてください。

〈例1〉コミュニケーション機会を多く持つ
通常よりも多くのコンタクト機会を設け、信頼形成に注力をする。数ではなく、質を意識した内容を得意とする。
〈例2〉戦略立案
成果までのフローを分解し、自身の強みとなるポイントを最大化させ、弱みとなるポイントは最小化できるように全体間を整理して戦略を組み立てられる。

ポイントは2つ!

・事実を書く
→入社後のギャップを生むと良くありません。企業側にも自身にとってもメリットを生みませんし、シンプルに嘘は良くありません。

・差別化できる点を書く
→他者にない差別化できる点はなんでしょうか。考えて行動に移せる方の価値は高いです。

④自分の強みを言語化する

日々の生活の中で、自身の経験を振り返ることはなかなかありません。
ただ、転職活動の中では過去を振り返り、「キーポイント」や「強み」を整理して、アピールポイントに変える必要があります。

普段の生活の中で経験しないこと故に、難しさはあります。
ただ、この自身の強みが転職先での利益に繋がる可能性を想像させる説得材料になるのです。
どのようなことが強みと言えるのか例を挙げてみましょう。

〈例1〉関係構築力
コミュニケーション機会を他者より多く設けてきたことで、相手に心を開いてもらうことができる。
〈例2〉俯瞰力
全体を掌握することで、やるべきことが想像できる。結果、効率的に生産性を高めることができる。

ポイントは2つ!

・〇〇できる。で文末を切る。
→強みを知りたいだけでなく、その強みを活かして「何が」できるかが最も重要。

・スキルベースで伝える
→「スキル」は経験を積んで習得した技術のことを指します。企業側は能力を持った方でなく、「スキル」を持った方を求めます。
※能力=才能、生まれつきの力

⑤大切にしていた価値観を整理する

人は知らず知らずに、「自身の価値観」を基準にすべての判断や決断を下しています。
そのため、企業側は自社の価値基準と乖離した人材を採用しない傾向があります。

極端な例ではありますが、マイペースを崩さないように生活してきた方が、スピード感ある会社ではフィットしない可能性が高いです。
ペースを崩したくない価値と、スピードを求める価値はイコールになりづらいのです。
だから、企業側は候補者の価値観にも注目をします。

ここまでキャリアの棚卸しができたところで、転職サイトやエージェントサービスに登録してみてください。

ここで皆さんが疑問に思う点は、「企業側の価値観とは何だろうか」ということではないでしょうか?

実は、この企業側の価値観は大半の企業が見える化されています。
それが「コーポレートサイト」です。その中で特に注目すべき点をまとめます。
注視することで企業の価値基準が見えてきます。

【経営理念】
経営者の哲学や信念を基に言語化されています。
言い換えると、会社のトップが大事にしていることです。
会社のトップが大事にしていることは、従業員も大事にしていることになります。
【企業理念】
会社が大切にする考え方や価値観、存在価値を指します。
ミッション・ビジョン・バリューと記載されるケースを多く見受けます。
シンプルに会社の価値観が書かれています。

ポイントは2つ!

・自分と合っているか
→自分と合っていないと、仮に入社ができたとしてもギャップを感じます。衛生要因を生むきっかけになります。

・共感できる点が複数あるか
→多ければ多いほど安心材料になるはずです。入社後、周囲の方々が自分と似た考えを持った方である可能性が高いです。

自分の友人は自分と似た考えを持っていることはありませんか?
なぜ居心地良く共に過ごせてきたのか…理由は「価値観」が似ているからなのです。

企業側の採用においても、同じ理屈が働きます。
採用を行う上で、人に対する何かしらの価値基準を持って採用しているケースがあります。
これはスキルベースとは異なる話になります。

入社後、同じ価値観を持った人が居ることで居心地も良いのではないでしょうか?
つまり、安心できる環境があることで、長く勤務することができる可能性が高まるということです。

まとめ

以上の5段階がキャリアの棚卸しの仕方です。
自分のキャリアを主体的に歩み、何らかの満足感を得ていくには必要なことです。

キャリアの棚卸しができたら、転職サイトを見てみてください!
今までは不満足を改善できるような条件ばかりを追いかけていたと思いますが、キャリアの棚卸しができたことにより、どんな求人に応募するべきか、書類や面接で何を伝えるべきか、見えてきたのではないでしょうか。

最後に、早く行動できる人材は市場価値が高いです!

「未来のために、今動こう。」

皆さんの転職活動が有益なものになることを祈念しています。

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この記事を書いた人

人事責任者として、採用・育成・労務・人事制度設計など幅広く人事業務に従事しています。中でも採用を得意としており、採用計画立案〜オンボーディングまで一気通貫としたストーリー性のある採用設計を行います。また、数千名単位の面接を行なってきた経験から、候補者が面接でおさえるポイントを面接官の目線からお伝えいたします。転職活動及び就職活動での皆様のお力になれるような記事を書いていきます。

広域な人事業務に従事してきた経験から、現役の人事担当者様にもご参考になるような、生きた情報提供も行なっていきます。共に人的資源の最大化に向けて尽力していきましょう。

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